今はもう無いが、40年ほど前、福井駅前にひまわり書店という小さな書店があった。
17歳で発症して、12年間、必死で頑張ってきたが、
その頃、完全に絶望していた。もう駄目だ、もう生きられない、
もう自分は終わったのだと思っていた。その頃、29歳だった。
うつろな気持ちで、ただふらっと入ったその小さな書店、
(本はずっと恐怖で読んでこなかった。そして、病院にはその頃の事情で行かなかった。)
健康生活に関するコーナーで、神経衰弱と強迫観念の根治法(森田正馬著)という本が、
目に入って、手に取った。
夜になってから、その本を開いてみた。
体験例がいくつか書いてあるところを読んでいたとき、
驚いた、まるで自分と同じことが書いてある!
そのとき初めて、自分は確認の強迫神経症(不安障害)だったのだとわかった。
(17歳で発症して、19歳か20歳で県内の病院に行ったが、何もわからなかった。)
(23歳ごろ、京都大学の附属病院に兄と共に行った。そのとき病名は何も知らされなかった。)
(自分が神経症だと知らないまま、12年もの間、苦しんだ。)
(最も苦しい時期は、確認強迫の他に、離人神経症と、ある宗教を抜けたことによる背徳心で苦しみ、まさに三重苦の様相で重症であった。診察した医者にも驚かれた。)
寝ている間だけが、苦しみから解放された。
森田正馬先生の本で、自分だけじゃないと、わかったことで、
また神経症であるとわかったことで、
生きられる、これで自分は生きられる、そして、治るという希望を持った。
このときの話を私は体験談で、大勢の前で話すことが時々あるが、
必ず涙が込み上げて、言葉に詰まって涙声になるのである。
40年も前の遠い過去のことなのに、
森田療法に出会ったこと、生活の発見会に出会ったことが、
(その本の巻末に、生活の発見会が紹介されていた。)
(翌日、電話を入れたら、まず福井集談会に参加してくださいと紹介された。)
(それから私は毎月欠かさず集談会に必ず参加した)
私にとって、人生を生きることができるのだと、180度、人生が転換した。
人生に対する完全な絶望から、生きる希望へと変わった、
私にとって決して忘れられない出来事なのである。
最後まで読んでいただいて感謝します。ー-のぶ
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